■ 四谷大塚が小1に課す“本当の学び”とは何か?

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老舗進学塾・四谷大塚は、毎年トップ校への合格者を多数輩出しており、その指導方針は業界基準とも言える存在である。
そんな四谷大塚が小1に対して行っているのは、驚くべきことに「受験テクニック教育ではない」。
むしろ徹底しているのは、次の3つだ。
● 1. 語彙力・読解力の徹底強化
国語の読解力は、他の教科すべてに影響する。算数でも問題文が理解できなければ解けない。理科も社会も、説明文の理解力が問われる。
だから小1の段階では、
- 語彙カード
- やさしい文章読解
- 音読による理解深化
こうした“文章に出会う機会”を大量に確保する方針をとっている。
● 2. 図形・パズルで「地頭の土台」を育てる
算数の本質は「論理的思考」と「図形認知」である。
そのため、小1〜小2では以下のような教材が中心となる。
- 図形パズル(タングラムなど)
- 数量感覚トレーニング
- 位置関係を理解するゲーム
これにより、“考えること”自体を楽しく感じる脳を育成する。
● 3. 学習の習慣づけ(毎日15分)
四谷大塚の特徴は、早期化の波に流されず、学習習慣の定着を最優先している点だ。
小1では、長時間の勉強は逆効果である。そのため、
「毎日15分机に向かう習慣」
を形成するのが最重要ミッションとなる。
これは小5以降に圧倒的な差として現れる。
■ 低学年で“後伸び”する子の共通点とは?
長年子どもを見てきた講師によれば、小4〜小6で一気に成績を伸ばす子には明確な共通点がある。
● 共通点1:語彙力が豊富
語彙力があると、問題文の理解スピードが速くなる。
国語の成績が高い子は、算数の文章題も強い。
● 共通点2:図形・パズルが得意
図形力はセンスではなく“慣れ”で決まる。
幼児期のパズル経験は、受験算数に直結する。
● 共通点3:自走できる子
中学受験の勝敗を分けるのは、最終的には自走力である。
親に言われなくても机に向かえる子は、学習量が自然と増え、安定して伸びる。
■ 幼児〜小3の「正しい学習ロードマップ」
ここでは、早期化の波に流されないための、理想的な学習プランを提示する。
● 年中〜年長
- 積み木・パズル・レゴなど“図形脳”が育つ遊び
- 絵本の読み聞かせ(1日10分でOK)
- 数字・時計・量の感覚に触れる
● 小1
- 語彙カード・音読など読解の土台づくり
- パズル教材で思考力トレーニング
- 毎日15分勉強習慣をつける
● 小2
- 読書量を一気に増やす
- やさしい文章問題へチャレンジ
- 宿題管理を“自分で”できるようにする
● 小3
- 学習習慣を完成させる
- 塾へ入るベストタイミング
- テクニック学習はまだ不要
■ 小4〜小6で伸びる子と失速する子の違い
いよいよ受験本番となる小4からは、以下の差が一気に表面化する。
● 伸びる子の特徴
- 語彙・読解の土台がしっかりしている
- 図形問題への抵抗がない
- 家庭学習が習慣化している
- わからない問題に粘れる
● 失速する子の特徴
- 親がいないと勉強が進まない
- 語彙不足で文章が読めない
- 計算は速いが応用ができない
- 解けないとすぐ諦めてしまう
■ 早期化に振り回されず「本物の学力」を育てるために
ここまで見てきたように、中学受験の成功を左右するのは、決して「いつから始めたか」ではない。
むしろ、
“低学年期に正しい土台が育ったかどうか”
がすべてを決める。
語彙力、図形力、そして学習習慣。この3つが揃えば、小4スタートでも十分にトップ校を狙える。逆に、テクニック先行で低学年から詰め込みすぎると、小5で失速しやすい。
つまり保護者が取るべき道は明確だ。
- 焦らない
- 比べない
- 子どもの成長段階に合わせる
- 思考の土台をしっかり育てる
■ まとめ:早く始めるほど良い、という幻想を捨てよう
中学受験は“早期スタート競争”ではない。
むしろ、子どもの成長段階に合わない学習は逆効果である。
幼児・小1・小2で大切なのは、次の3つだけだ。
- 語彙力・読解力
- 図形・論理力
- 学習習慣(毎日15分)
これさえ守れば、どの家庭でも“後伸びする子”を育てることができる。
焦らず、長い目で見て育てていくことこそ、中学受験の真の成功への道なのだ。
中学受験対策幼児から低学年入塾組は不振説も…《早期化する実態と効果のほど》老舗・四谷大塚は小1に何をさせている?のまとめ
中学受験対策幼児から低学年入塾組は不振説も…《早期化する実態と効果のほど》老舗・四谷大塚は小1に何をさせている?について記載させていただきました。
新しい情報が入り次第追記させていただきます。

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